FNNプライムオンラインより
https://news.yahoo.co.jp/articles/16629ccadb189917a0040db97818d1c329ee10f0
虐待死事件 暴行容疑で逮捕の母 友人が語った
FNNプライムオンライン
「八つ当たるところがおりちゃんしかない」
「桜利斗が死んだせいで生活保護費、全然もらわれへん」
この言葉は、虐待死した新村桜利斗(にいむら・おりと)ちゃん(当時3歳)の母親が友人に漏らしていたもの。
「めざまし8」が入手した、去年3月に撮影された映像を見ると、そこには、カメラに向かって笑顔でポーズをとる母親とつられてポーズをとる桜利斗ちゃんの姿が。
母と息子、そして、交際相手の男。虐待死を防ぐ手立てはなかったのでしょうか?
捜査員に伴われうつむき加減で歩く女性。大阪府摂津市内のマンションで今年6月、当時3歳だった新村桜利斗ちゃんに暴行した疑いで、母親の行歩寿希(ぎょうぶ・じゅき)容疑者(23)が逮捕されました。
8月には、桜利斗ちゃんは高温のシャワーを浴びせ続けられ、3歳で命を奪われています。
桜利斗ちゃんを殺害したとして逮捕・起訴されているのは、行歩容疑者の交際相手、松原拓海被告(24)で、松原被告も傷害と暴行の疑いで再逮捕されました。当初は交際相手による犯行とみられていたこの事件。母親の行歩容疑者も摂津市に対し虐待の件を知らせていました。
「交際相手が子供を叩いた」
「虐待したのは、交際相手」
自らそう相談していた行歩容疑者。
しかし、今回、その母親が、桜利斗ちゃんに対し、暴行をしていたとして、逮捕されたのです。そのきっかけとなったのは“スマートフォンに残されていた動画”でした。
先だって逮捕されていた松原容疑者のスマートフォンに残されていた動画。そこには、松原容疑者が桜利斗ちゃんの頭をクッションで殴って転倒させる様子が映っていました。それを撮影していたのが、ほかでもない行歩容疑者だったのです。
行歩容疑者は、警察の調べに対し、容疑を認め、こう話しています。
「動画を見れば第三者は、そのように思うと思います。逮捕には納得しています」
行歩容疑者の友人を取材すると、日常的な虐待をうかがわせる証言の数々が出てきました。
行歩容疑者の友人:
日常的に怒鳴る、蹴る、叩く、跳ねのけるとかの行為はあの子たちの生活の中で普通に起きてたことです
ーー普段から桜利斗ちゃんはケガがあったり?
行歩容疑者の友人:
あります、私、桜利斗の左のほっぺに大人の手形がついてるのを見たんですよ。もうあからさまに大人の手の大きさだったんで、生活の中でも自分中心なんですよ。桜利斗は後回し。自分は綺麗な服を着てようが、桜利斗はもう毛玉だらけとか、ちょっと前が汚れていようが着させる。「桜利斗が邪魔や」っていうことも頻繁に口に出してたし
さらに、友人はこんな場面も目撃していました。
日常的な虐待の証言次々
行歩容疑者の友人:
車から落としたりとか、桜利斗が後ろ(後部座席)おったんですよ、熱い飲み物をなんかか、桜利斗が持ちたがって、それを桜利斗が持ってたらしいんですよ、ほんなら、やっぱりちっちゃい子やから、こぼすじゃないですか?こぼしたやつを気にして、桜利斗をここから(助手席から)ここからのけ反って、(後部座席のドア)ここ開けて桜利斗を落としたんです。停車中ですけど。突き落としたりとかして。で、車を拭いてるんですよ。熱い飲み物がこぼれてるから、普通火傷とか、そういうのを気にするのが先ちゃいます?
熱い飲み物をこぼしても桜利斗ちゃんを心配する様子はなかったといいます。
ある日、行歩容疑者に対し、なぜ桜利斗ちゃんに対し冷たく当たるのか、理由を尋ねると…
行歩容疑者の友人:
「八つ当たるところがおりちゃんしかないんです」って。でも「それって違うよ」って言って。「絶対あかん」って「それって虐待やで」って言っても、「違うんですよ~」なんでも『違うんですよ~』でね
ーー虐待じゃなかったら本人たちにとっては何なんですか?
行歩容疑者の友人:
遊び、「痛い」とか「嫌や」って言っても「黙れ~」の一択なんで、「そんなん痛ないやろ」とかって。「うるさーい!』みたいな
「虐待ではない」と言っていたという行歩容疑者。また、行歩容疑者の知人らから相談を受けてきたという、虐待問題に取り組む民間団体の竹井さんは、こんな証言を耳にしたといいます。
「桜利斗ちゃんは、何のために生まれてきたのか」
児童虐待対策委員会 竹井信一さん:
生後3ヵ月くらいから虐待があったと聞いている、友人のラインに、“またやってしまった”というラインがきたりしたという
行歩容疑者は友人に対し、メッセージの他に、ケガをした桜利斗ちゃんの写真なども送っていたというのです。
児童虐待対策委員会 竹井信一さん:
生まれてきてからずっと虐待を受けてきたということなのでは。桜利斗ちゃんは、何のために生まれてきたのか…。
竹井さんは、行歩容疑者が逮捕されたことで、別の問題も生じていると指摘します。
児童虐待対策委員会 竹井信一さん:
49日が過ぎても、まだ遺骨は残されたまま、なんらかの形でやらないと、このままだと桜利斗ちゃんも成仏できないのでは。
行歩容疑者は、息子の桜利斗ちゃんが亡くなったことを、どう受け止めていたのでしょうか
「めざまし8」では、逮捕の直前まで行歩容疑者と暮らしていたという、松原容疑者の母親を取材した。
交際相手の母親は虐待を察知せず
松原容疑者の母親:
桜利斗ちゃんの葬儀のあと、9月の初めに行歩容疑者は息子と一緒に私のところで住むようになりました。
虐待を感じさせるような発言は一切ありませんでした。
夏に蝉を捕りにいった写真などを私に見せて桜利斗ちゃんとの思い出を話していました
9月22日に息子が逮捕された際には…
松原容疑者の母親: (行歩容疑者は)自分も虐待をしていたとは言いませんでした
それどころか友人によると、行歩容疑者はこんな発言をしていたというのです。
行歩容疑者の友人:
「もう何よりも自分が今一番考えなあかんのは、自分のための生活をどうしていくか」と、「彼氏をどうして行くか」。もう口を開けば、全部それで私が話そらして桜利斗の話に戻しても絶対最終地点は、お金と彼氏の話に戻るんで。もうたぶん、そこしか見えてない。なんか「桜利斗の分の生活保護費が入ってこなくなったから、どうやって食べていこう」と。「桜利斗が死んだせいで生活保護費、全然もらわれへんかって」とかって。
幼い我が子を亡くした悲しみではなく、お金のことを心配をしていたといいます。
松原容疑者の母親は、息子と行歩容疑者に対しこんな思いを語りました。
松原容疑者の母親:
息子がどれくらい虐待をしていたのか、行歩容疑者がどれくらい虐待をしていたのか、いまはまだ分かりません、これから真実が明らかになっていくと思うが、自分たちのしたことを受け止めてつぐなってほしい
(めざまし8・10月28日放送より)